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社説

児童虐待の緊急調査 予想超える深刻さに驚く

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 子どもの虐待は一部の特別な家庭の問題ではない。どこでも起きている可能性があることをうかがわせる調査結果が判明した。

     厚生労働省と文部科学省が合同で行った緊急調査によると、学校や保育所を長期欠席している子どものうち、教師らが面会して「虐待の恐れがある」と判断したのは2656人に上った。面会できなかった子どものうち「虐待の可能性が否定できない」のは9889人にも上る。

     これだけ多くの子どもに虐待リスクがあることが判明したのは初めてだ。児童福祉法などの改正案が今国会に提出される。親による体罰禁止を法律に明記し、児童相談所の機能強化を図るだけでは足りない。学校や地域社会も含めた根本的な改善策を考えないといけない。

     小中学生の不登校は増え続けており、2017年度は14万人を超えて過去最多となった。文部科学省は学校に来なくてもフリースクールに通うことを積極的に容認するなど、不登校そのものを否定的に見ない方針へ転換している。先生が忙しいこともあって不登校の子どもに対しては家庭訪問などのフォローも行われないことが多くなった。

     一方、児童相談所は増え続ける虐待通報に手いっぱいだ。虐待で死亡した子どもの8割近くが0~3歳児ということもあり、学校に行かない児童や生徒への対応には手が回らないのが実情だ。

     野田市の小4女児は死亡が確認されるまで冬休みを含んで1カ月以上学校に登校していなかった。顔のあざで虐待が発覚することを親が恐れたためという。不登校の中に虐待リスクが高い子どもがいることを改めて浮かび上がらせた。

     面会できない子のうち「虐待の可能性が否定できない」が1万人近くもいるというのは衝撃だ。これまでも自治体が所在を確認できない子どもが多数いることは、厚労省や民間団体の調査で指摘されている。今回調査の1万人と重なる部分が多いのではないか。

     学齢期の子どもが学校を長期欠席し、自治体もどこにいるか確認できない。そんな異常な事態に対して社会の感度が低かったのは否めない。

     虐待は身近な問題として、社会全体が本気で取り組まねばならない。

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