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松原隆一郎・評 『社会科学と因果分析 ウェーバーの方法論から知の現在へ』=佐藤俊樹・著

 (岩波書店・3024円)

 固い専門書だ。けれども推理小説のような展開で、滅法(めっぽう)面白い。20世紀初頭に書かれたマックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」や「社会科学的および社会政策的認識の『客観性』」(いわゆる「客観性」論文)は日本の大学でもながらく取り上げられ、自然科学が法則の解明に携わるのに対して、社会科学は価値の創造にかかわるという理解から日本人の生き方を糾(ただ)す方向で読み継がれてきた。しかしそれはおよそ誤読だったというのだ。

 誤解のもとは「法則」の理解にあった。それを条件が満たされれば繰り返される自然法則のように考えると、西欧における資本主義の勃興のように歴史上一回限り生じた事象の原因を追求するのには使えない。実はウェーバーの「法則論的」という言葉には、「客観性」論文を書いた1904年以降に、法則科学の「法則」とはまったく別の意味が込められた。統計学者であるV・クリースの『確率計算の諸原理』に出会い、その内容を大胆に…

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