連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

外国人労働者は恋愛禁止? 場当たり政策が生む「悲劇」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
昨年10月まで東日本入国管理センターに収容され、仮放免中のガセミ・セイフォラさん。「また仮放免を取り消されるのではないかといつも不安です」=神奈川県の自宅で
昨年10月まで東日本入国管理センターに収容され、仮放免中のガセミ・セイフォラさん。「また仮放免を取り消されるのではないかといつも不安です」=神奈川県の自宅で

 外国人労働者の受け入れ拡大を目的にした改正入管法が1日、施行された。今後5年間で34万人以上の増加を見込む外国人とともに暮らすための法制度や社会の準備は本当に整っているのか。長く日本で生活しながら差別的な扱いに苦しむ外国人と、支援者からは不安の声が聞こえる。【井田純】

改正入管法施行 消えぬ不安の声

 判決が言い渡された瞬間、傍聴席に座っていた神奈川県在住の原告、ガセミ・ファラハッドさん(17)=イラン国籍=は頭を抱えてうつむき、しばらくの間動かなかった。「ショックでした。自分たちをいじめているようにしか思えません」。父はイラン人、母は日系ボリビア人。日本で生まれ育ち、両親の母語はあいさつ程度しか話せない。6歳の時に出された「退去強制令書」の無効確認などを求めて東京地裁に提訴したが、2月28日、清水知恵子裁判長はすべての請求を退ける判決を言い渡した。

 この訴訟については途中経過を昨年9月の「特集ワイド」で取り上げたが、改めて経緯を振り返りたい。

この記事は有料記事です。

残り2471文字(全文2898文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集