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「カーボンプライシング」は両論併記 温暖化長期戦略・有識者が提言 

 地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づく長期戦略について検討してきた政府の有識者懇談会(座長・北岡伸一東大名誉教授)は2日、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出を今世紀後半のできるだけ早い時期に実質ゼロとする「脱炭素社会」を目指すなど、対策強化を求める提言を安倍晋三首相に提出。首相は6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議までに長期戦略を策定するよう、原田義昭環境相らに指示した。

     経済成長につながる新技術を導入して脱炭素化を求める一方、CO2排出に価格を設け、企業などの排出削減を促す「カーボンプライシング」の導入の可否については意見が分かれ、両論併記とした。

     提言によると、具体的な政策の方向性は昨年改定したエネルギー基本計画などにほぼ沿った形。「再生可能エネルギーの主力電源化」を進めるとともに、石炭火力発電への依存度を下げるとした。一方、一度排出したCO2を地下貯留する技術や、CO2を原料にメタンを合成する技術などを2030年までに実用化するとした。

     政府はこれまで、16年に閣議決定した地球温暖化対策計画で「50年に温室効果ガス80%削減」という長期目標を掲げていた。カーボンプライシングを巡っては「排出削減の切り札となり得る」と導入に前向きな環境省に対し、経済産業省は「(石炭や石油への課税など)日本の炭素価格は既に高い」と否定的だ。有識者懇談会でも「産業の国際競争力を失う」(進藤孝生・日本製鉄会長)など否定的意見が相次いだ。北岡座長は「コンセンサス(合意)が得られなかった。最終的には政府レベルで決定すべきだ」と述べた。

     国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は昨年、世界の平均気温が1.5度上昇した場合を想定した特別報告書をまとめ、50年にも温室効果ガス「実質ゼロ」とする必要性を訴えている。提言ではこうした世界的な動向に沿って、脱炭素社会を長期戦略の最終到達点とすることを求めた。【五十嵐和大】

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