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今週の新刊
◆『心霊電流』スティーヴン・キング/著(文藝春秋/上下各税別1800円)
これぞスティーヴン・キングだ。上下巻の『心霊電流』(峯村利哉訳)は、圧倒的筆力で読者の尻を叩(たた)く。6歳の「僕」モートンの住む町に、若き牧師ジェイコブスがやって来た。彼は電気を自在に操り、神秘的体験を現出させる。
しかし、災厄で妻子を失い、彼は町から姿を消した。「僕」はギター少年からプロになり、30代半ばにしてヤク漬けで破滅寸前。そこへ電気仕掛けの魔術師となったジェイコブス師が現れ、電気治療により主人公を救った。再びの別れと三たびの出会いは後編に。
富豪のスタジオで働き始めた「僕」は薬物中毒から抜け出し、初老を迎える頃、高電圧で奇跡を起こす「ダニー牧師」を知る。それこそ、電気で神の門戸を開いたあのジェイコブスだった。足なえを治す癒やしの「電撃」は、神の魔術なのか、インチキなのか。
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