平成文学対談 川村氏「終焉から春樹の時代へ」、田中氏「女性作家の潮流広がる」
毎日新聞
2019/4/3 14:30(最終更新 4/10 12:41)
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平成の時代、日本の文学にはどんな成果があったのか、そして次の「令和」の時代の文学はどこに向かうのか。いずれも文芸評論家で、毎日新聞で文芸時評を1993(平成5)年から2010(平成22)年まで務めた川村湊さんと、10年から担当する田中和生さんに語り合ってもらった。【構成・大原一城、敬称略】
村上春樹の作品、「歴史性」と「消費生活」の側面
田中 平成は始まった直後の1990年代にバブルが崩壊し、阪神大震災やオウム真理教の事件が起こり、後半の2011年に東日本大震災がありましたね。暗いことが多かった。
川村 「戦争が無くて平和な時代であった」との総括が多いけれども、それは間違いだろうと思います。湾岸、アフガン、イラク戦争とあり、日本はますます関与した。決して「平らに成って」いないでしょう。
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