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社説

「安倍・麻生道路」に忖度 政権の緩みが止まらない

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 露骨な利益誘導と受け取られるようなことを選挙の応援演説で自慢げに語る無神経さにあきれる。福岡県知事選の集会で飛び出した塚田一郎副国土交通相の問題発言だ。

     塚田氏は今年度予算で「下関北九州道路」の建設計画に国直轄の調査費をつけたことを強調した。安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元を結ぶことから「安倍・麻生道路」とも呼ばれている計画だ。

     塚田氏は副大臣室を訪れた自民党の参院幹部から「何とかしてもらいたい」と求められたという。「総理とか副総理がそんなことは言えない。私が忖度(そんたく)した」と語った。

     公共事業の予算措置に忖度を働かせるというのは言語道断だ。しかも、それを自身の手柄のように語る振る舞いには、公金を厳正に扱うべき立場にある自覚が感じられない。

     塚田氏は「発言は事実と異なる」と撤回し、菅義偉官房長官は記者会見で「二度とこのようなことがないように厳重注意した」と述べた。

     だが、安倍政権では横畠裕介内閣法制局長官が野党をやゆした国会答弁など、政権内の緩みと言うほかない失言が続いている。

     塚田氏の発言があったのは新元号が発表され、政権全体が高揚感に包まれていた1日の夜だ。手ごわい対抗勢力のいない「安倍1強」の全能感がモラルをマヒさせていないか。

     今回の統一地方選では野党の弱体化を背景に、自民党内の勢力争いが表面化した保守分裂の知事選が目立つ。福岡知事選もその一つで、3選を目指す現職に麻生氏の支持する新人が挑む構図だ。塚田氏は麻生派に所属しており、利益誘導をひけらかすことで麻生氏の影響力を誇示できると考えたのかもしれない。

     しかし、麻生氏が財務省のトップとして公文書改ざんの責任を問われていることを忘れてはならない。

     森友・加計問題では官僚による首相への忖度が疑われ、いまだに真相は解明されていない。塚田氏が忖度という言葉を冗談めかして使ったこと自体、政権内でことの重大性が共有されていない証左だろう。

     そもそも道路の建設計画は2008年にいったん凍結されていたものだ。公共事業の箇所付けで政治家が影響力を競った土建政治の時代に自民党は回帰したいのだろうか。

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