第4部 世界の潮流/1 最先端行く「フードテック」 新たなアメリカンドリーム ビジネスで社会変える
毎日新聞
2019/4/4 東京朝刊
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<科学の森>
存在感の低下にあえぐ日本を尻目に、覇権争いを繰り広げる米国と中国は科学技術分野でも2強体制を確固なものにしている。連載最終章となる第4部では、世界の最新の動きを報告し、日本の現状を改めて分析する。
●植物から人工卵液
米西海岸シリコンバレーのベンチャー企業「ジャスト」。エプロン姿の男性がボトルに入った黄色い液体をフライパンに流し込んだ。焼き上がった塊を口に運ぶと、ふんわりとした食感とともに卵の味が広がった。黄色い液体の正体は、植物油などから作った人工卵液。本物の卵は一切使っていない。広報担当者は「風味の決め手は(モヤシになる)緑豆から抽出したたんぱく質だ」と明かした。
このほか、人工肉のチキンナゲットやアイスクリームも試食させてくれた。ナゲットは断面が滑らかでやや不自然なものの、知らずに食べて植物由来だと気付く人は少ないだろう。アイスクリームに至っては本物との違いは皆無だった。
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