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河鍋暁斎

没後130年「鬼才!Kyosai!」展 自在なり、無限の表現 兵庫県立美術館、あす開幕

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 幕末から明治に生きた河鍋暁斎(1831~89年)。その画業を一望する「没後130年河鍋暁斎-鬼才!Kyosai!-」展が6日、神戸市中央区の兵庫県立美術館で開幕する。幼少時に歌川国芳に師事し、その後狩野派に入門。時代が大きく動く中、世の中を真正面から捉え、人間や動物、幽霊までを自在に描いた。今展では屏風(びょうぶ)や掛け軸から錦絵、挿絵などの作品約200点を紹介。いまだ語り尽くされない暁斎の魅力に迫る。【三輪晴美】

人と交わり、己を磨き

 本展では、暁斎作品の驚くべき多彩さ、幅広さを味わうことができる。類いまれな画業の背景には、豊かな人的ネットワークがあった。

 例えば寺や神社に奉納された作品の数々。「大森彦七鬼女と争う図」は、ある講中に依頼されて制作し、成田山新勝寺に奉納された。縦がおよそ2メートルもある絵馬で、両者の鬼気迫る形相に、うねる衣紋や筋肉の描写もダイナミックだ。

 「河竹黙阿弥作『漂流奇譚(きたん)西洋劇』パリス劇場表掛りの場」は、芝居の宣伝に用いられた行灯(あんどん)絵。登場人物の米国総領事夫妻がパリのオペラ座を背にしている。衣服の地紋といい、建物のレリーフといい、細部の綿密な描写に目を見張る。

 日本帝国憲法発布を記念し、東京・麹町四丁目に依頼された「舞楽 蘭陵王(らんりょうおう)図」は横がおよそ5メートル半の巨大な幕。蘭陵王は中国・北斉の皇族で、作品の裏面には漢学者、杉山鶏児(けいじ)による憲法発布への祝意が記されている。つい最近まで、祭りの際に同町会の御神酒(おみき)所に掛けられていたというのも、一般的な美術鑑賞の枠に収まらない暁斎世界のおおらかさを感じさせる。

 暁斎は多くの外国人と親しく交わり、それが欧米での高い評価にもつながった。ドイツ人医師のエルビン・フォン・ベルツが持ち帰った作品は現在、ビーティヒハイム・ビッシンゲン市立博物館が所蔵。その19点のうち7点が今回、里帰りを果たす。暁斎との親密さを示す質の高い旧ベルツ・コレクションは必見だ。

 そのうちの一作「美女の袖を引く骸骨たち」は、死してなお美女の色香に惑わされる滑稽(こっけい)さを描く。人間の本質を、独自の視点で表現した暁斎ならではの傑作といえよう。

 さらなる本展の見どころは、豊富な下絵や写生類。暁斎が世界といかに格闘し、いかに表現したのか。描写力や観察力の確かさが素のままに伝わり、驚きと同時に作品世界への理解が深まる。例えば「豊干禅師と寒山拾得図」の巧みな構成力や対象を描き切る圧倒的な力量も、その確かな技があってこそと思わせる。


会期 6日(土)~5月19日(日)=前期(4月29日まで)と後期(4月30日から)で一部の作品を展示替え。月曜(4月29日と5月6日をのぞく)と5月7日休館

会場 兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1の1の1)

   電話078・262・0901。最寄り駅は阪神岩屋駅、JR灘駅

観覧料 一般1400(1200)円▽大学生1000(800)円▽70歳以上700(600)円=カッコ内は20人以上の団体料金

主催 兵庫県立美術館、毎日新聞社、朝日放送テレビ、神戸新聞社

後援 公益財団法人伊藤文化財団、兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会

特別協力 公益財団法人河鍋暁斎記念美術館

監修 河鍋楠美

協賛 野崎印刷紙業、TKG Foundation for Arts & Culture

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