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今週の本棚

加藤陽子・評 『ツァーリと大衆 近代ロシアの読書の社会史』=巽由樹子・著

 (東京大学出版会・5184円)

旧来秩序を変えた中間層の役割解明

 こんな高い本を紹介されても手が出ない、との嘆息が聞こえてきそうだ。だが、自ら買う以外にも本を手にする方法はある。まずは公共図書館・大学図書館に購入希望を出す道があり、世に数多(あまた)ある読書会の課題本に推す手もある。手間暇かけて入手すべき本は世に多くあるが、本書はその最有力の一冊だ。

 まずはタイトルを確認しておこう。ロシア語で皇帝を意味する「ツァーリ」の後に、「ナロード」(民衆・農…

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