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池澤夏樹・評 『わたしが「軽さ」を取り戻すまで “シャルリ・エブド”を生き残って』=カトリーヌ・ムリス著

 ◆カトリーヌ・ムリス著、大西愛子訳

 (花伝社・1944円)

心の傷は美によって修復されるか

 二〇一五年の一月七日、パリにある週刊紙「シャルリ・エブド」の編集部に二人の男が押し入り、そこにいた十二人を殺した。

 この本の著者であるカトリーヌ・ムリスは風刺漫画を主軸とするこの週刊紙のスタッフの一人だったが、たまたま失恋の苦悩で寝床を離れられず、遅刻して虐殺の時には編集部にいなかった。

 これは同僚を失った彼女が心の傷から回復してゆく過程の物語である。治癒の旅路の記録。当然ながら彼女の…

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