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社説

ゴーン体制後の日産 信頼の回復につながるか

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 日産自動車は臨時の株主総会を開き、一連の不正事件で逮捕・起訴されたカルロス・ゴーン前会長を取締役からも解任する議案を提出して承認された。これで20年もの間日産に君臨した前会長の役職はすべてなくなり、現経営陣は「ゴーン後」の新体制に移行したい考えだ。

 事件の重大性を踏まえると解任は当然だろう。問題は、ワンマン経営者に責任を取らせれば日産は信頼を取り戻せるのか、ということだ。

 事件後に株主総会が開かれたのは初めてだ。西川(さいかわ)広人社長は「将来に対する責任がある」と続投に意欲を示したが、株主からは総退陣要求など批判が続出した。

 取締役には、経営をチェックし、トップの不正を防ぐ重要な役割がある。とりわけ西川氏は8年前から代表取締役を務め、ゴーン体制を中核として支えてきた。自ら関与していないにしても、暴走を止められなかった責任は免れない。

 しかも日産は法人として、有価証券報告書への報酬の虚偽記載の罪で起訴されている。主導したとされるゴーン前会長個人だけでなく、不正を見抜けなかった企業の刑事責任も問われているのだ。現経営陣の責任は一段と重いはずである。

 日産は6月に開く定時の株主総会を経て新体制を発足させる方針だ。権限が集中した会長職を廃止し、社外から起用する取締役が役員報酬などを決める組織に移行して、企業統治を強化する構えだ。事件を教訓とした必要な改革だろう。

 だが組織改革は万能ではない。先進的に取り組んだとされる東芝でも巨額の不正会計問題が発覚した。いくら組織を変えても、内実が伴わなければ効果は大きくそがれる。

 日産で一昨年から相次いだ検査不正は、車の生命線の安全を巡って消費者の信頼を損ねた。企業統治が十分働かず、社内のルール順守意識も低下したと言われる。経営陣の責任をあいまいにしたまま再出発しても信頼回復を図ることは難しい。

 日産は、提携している仏ルノーと三菱自動車との3社連合の販売台数が世界2位になるまで規模が大きくなった。日本を代表する企業として社会的責任はますます重くなっている。そうした自覚を持って、今後の経営改革に取り組んでほしい。

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