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象徴として

国民と苦楽を共にする陛下の「平成流」を支え続けた歩みをたどる。

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第5部 夫婦の歳月/上 共通の趣味、絆深め 音楽、救いのきっかけにも

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皇居・御所でチェロ、ピアノの演奏を楽しまれる天皇、皇后両陛下と黒田清子さん(当時は紀宮さま)=2005年10月、宮内庁提供
皇居・御所でチェロ、ピアノの演奏を楽しまれる天皇、皇后両陛下と黒田清子さん(当時は紀宮さま)=2005年10月、宮内庁提供

 天皇陛下の退位に向けた儀式が始まっていた3月下旬の昼下がり。住まいの皇居・御所の庭に、皇后さまとツクシを摘み取られる陛下の姿があった。晴れ渡った空の下、公務の合間のわずかな時間を見つけ、お二人で春の訪れを感じ取るようだった。

 陛下は1957年8月19日、長野県軽井沢町のテニスコートで皇后さまと出会った。結婚にあたり伝えた「義務は最優先、私事はそれに次ぐもの」との言葉通り、天皇、皇后両陛下は何よりも公務を優先してきた。記者会見で日常の暮らしに言及することは少ないが、側近は「親しい人や夫婦で過ごす時間も大切にされてきた」と話す。

 テニスの機会は高齢となり減ったものの、両陛下は長年ダブルスのペアを組む。昨年5月の休日に皇居内のコートで元宮内庁職員らとミニゲームをした際は、届かない所にボールが来ると「おねがーい」と声を掛けて助け合い、コートを駆けた。1時間ほどのプレー後はコートサイドのベンチで元職員の近況や昔話に耳を傾けた。

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