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SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『ここから世界が始まる トルーマン・カポーティ初期短篇集』『銭湯図解』ほか

今週の新刊

◆『ここから世界が始まる トルーマン・カポーティ初期短篇集』トルーマン・カポーティ/著 小川高義/訳(新潮社/税別1900円)

 まだまだ、こんなことがあるんですね。あの天才が、若き日に短編小説を書き溜(た)め、ニューヨークの公共図書館が所蔵していた。それが『ここから世界が始まる トルーマン・カポーティ初期短篇集』(小川高義訳)で日の目を見た。まさに「蔵出し」の逸品。 高校時代、文芸誌に発表した7作を含む14編は、習作の域を超えた、まさに「カポーティ」世界の原質が見て取れる。「分かれる道」は、ときに野宿しながら放浪する2人の男だけの話。若い男の懐には10ドル。この虎の子をめぐり、2人に心理的葛藤が! ヘビに噛(か)まれる青い眼の女の子(「水車場の店」)、盗難の疑いで校長室に呼び出されるまじめな女学生(「ヒルダ」)、寒い朝、散った花をつけて死んだ汚れた老婆(「ミス・ベル・ランキン」)と、弱き者、淋(さび)しき人、社会の外で生きる人たちが登場。世の中を詳しく知る前の少年だから書けた、きらめく人生の断片。「書くために生まれてきた」と解説で村上春樹は記す。

◆『銭湯図解』塩谷歩波・著(中央公論新社/税別1500円)

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