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日本文化をハザマで考える

日本文学研究家のダミアン・フラナガンさんが、日英の「ハザマ」で日本文化について考えます。

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第3回 日本からヒットドラマが出ない不思議

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西遊記の登場人物たち(写真提供・Shizhao)
西遊記の登場人物たち(写真提供・Shizhao)

 1978年の日本テレビのドラマ「西遊記」(海外では「Monkey〈モンキー〉」と名付けられた)が英国で放映されたのは79年であった。以後、熱狂的ファンは後を絶たない。「モンキー」はオーストラリアではさらにヒットし、メキシコからアルゼンチンまでラテンアメリカでも広く放映された。

 日本のドラマが世界をほぼ征服することなど、テレビの歴史においてはそれまでになかったことだった。どうしてあれ以来、二度とそうしたことが起きていないのであろうか?

 「モンキー」は言うまでもなく、中国の古典「西遊記」から取られたもので、玄奘三蔵(三蔵法師)が貴重な経典を入手しようと中国からインドまで旅する話である。三蔵法師はその途中で邪悪な支配者や、悪魔や盗賊などに出くわすが、さまざまな従者たち――雲に乗って空を飛ぶ孫悟空や、大食と欲望の豚をイメージした怪物・猪八戒、そして、気難しく、以前は人間を食べていた、水の妖怪・沙悟浄らによって守られる。

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