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山は博物館

それは戦時下だった/13 奥穂高岳「道場」で戦技研究

 「錬成登山」や「行軍登山」。国や軍は戦時中、レジャーだった登山にも戦争を持ち込み、山登りを通した体力増進や精神鍛錬を国民に強いた。柔道や剣道にならった「登山道」を唱え、山は「道場」。この動きに加担する有名登山家もいた。北アルプスの奥穂高岳(3190メートル)では、山岳会を統制する半軍事組織「大日本体育会行軍山岳部会」が一般会員に武器を担がせ、「山岳戦技研究会」を開いた。

 この動きが目立つのは、1937年の日中戦争勃発と、「尽忠報国」などと国民を教化する政府の「国民精神総動員運動」が始まったころからだ。38年の「心身を鍛練し不道徳不経済なる娯楽を排撃」する政府の「厚生運動」の開始、人や物を戦争に集中させる「国家総動員法」施行も背景にある。元日本大教授、木下秀明さん(88)=体育史=は「戦線が拡大した大陸で軍は長距離歩行を余儀なくされた。登山は行軍力をつける道具にさ…

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