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イスラエル・ネタニヤフ首相続投へ 中東和平交渉、進展困難か

勝利宣言をしたイスラエルのネタニヤフ首相=テルアビブで2019年4月10日、AP

 【エルサレム高橋宗男、ワシントン高本耕太】通算5期目の続投が確実となったイスラエルのネタニヤフ首相には、近く米トランプ政権が公表を予定する新中東和平案「世紀のディール(取引)」への対応が課題として控えている。連立政権を組むことが見込まれる極右勢力からの強硬な反対が既に予想されており、和平交渉の進展は困難を伴いそうだ。

     新中東和平案は、断片的な報道によるとイスラエルとパレスチナの2国家共存を認める内容とされている。イスラエルが占領するヨルダン川西岸のうち85~90%をパレスチナ国家とする一方で、ユダヤ人が居住する大規模入植地をイスラエルに併合する。パレスチナ側が将来の首都と想定する東エルサレムの旧市街についても、イスラエルの主権を認めるとしている。

     入植地の併合などを認めイスラエルに有利な内容だが、ネタニヤフ氏率いる右派リクードを中心とした連立政権には、パレスチナ国家の建設やヨルダン川西岸の引き渡しに強硬に反対する極右勢力が含まれる見込みだ。たとえ国際社会から見ればイスラエルに有利な内容であっても、米政権の提案を受け入れることは期待できない。

     トランプ政権は、総選挙直前にイスラエルが占領したゴラン高原の主権を承認するなど、ネタニヤフ氏を外交的に支援してきた。トランプ大統領は10日、選挙結果を受けホワイトハウスで記者団に「ネタニヤフ首相を祝福したい。彼は強い味方であり友人だ」と述べた。ネタニヤフ氏は今後、新中東和平案に前向きな対応を求められ、政権内の難しい調整を迫られそうだ。

     中東和平推進派にとって今回の選挙結果は大きな打撃で、政治評論家のヤロン・デケル氏は「議席数を減らした中道左派・労働党や左派・メレツなど和平推進派にとっての大敗北だ」と指摘した。

    「収賄罪」司法手続き引き延ばし? 政治的生き残りに全力

     ネタニヤフ首相は検察による収賄罪での起訴方針に対し、司法手続きの引き延ばしを図るとみられている。総選挙の勝利で有権者の「信任」を得たと強弁するとみられるが、対応次第では支持率の低下を招く恐れがある。

     ヘブライ大名誉教授でイスラエル民主主義研究所の上級研究員を務めるモルデカイ・クレムニツェル氏によると、検察の起訴前に、抗弁の機会が与えられるヒアリングの手続きに少なくとも1年程度かかる。起訴されるとみられる事件は三つあり、第1審を終えるのにさらに2年、有罪になった場合は、上訴してさらに1年から2年半を要するとみられる。

     クレムニツェル氏は「ネタニヤフ氏は政治的な生き残りのために手段を選ばないだろう。司法手続きの引き延ばしと並行して、訴追免除のための工作を図るのではないか」と分析する。

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