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社説

ネタニヤフ氏続投へ ますます和平が遠ざかる

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 イスラエルの総選挙で、連続10年という長期政権を続けるネタニヤフ首相の続投が確実な情勢となった。

     首相率いる与党リクードなど右派勢力が過半数を制する見通しだ。極右や宗教政党も加わる内閣は、中東和平に後ろ向きな姿勢をより強め、パレスチナとの和解はますます困難なものになりそうだ。

     ネタニヤフ氏と与党は当初、同氏が汚職で起訴される見通しなのに加え、新たな中道政党連合「青と白」に勢いがあることから、劣勢と見られていた。

     ところが同氏は、右派支持層が歓迎する強硬政策や外交成果をアピールすることで巻き返したようだ。

     ネタニヤフ氏は選挙戦終盤、再選された場合には、パレスチナ住民の多いヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地を併合し、イスラエルの主権を拡大する考えを示した。これまで封印していた強硬姿勢である。

     ユダヤ人入植地は約120カ所あり、約40万人が住む。占領地への入植は国際法違反であり、これまでパレスチナとの和平を阻害してきた大きな要因の一つだ。実際に併合などすれば、住民同士の対立は激化し、衝突に発展しかねない。

     ネタニヤフ氏は元々右派で知られていたが、5年前にはパレスチナ国家の樹立を容認する「2国家共存」策を主張していた。

     それが近年、より強硬になったのは、パレスチナのイスラム組織ハマスとの絶えない衝突に加え、トランプ米政権の後押しがある。

     今回の選挙戦の最中にもトランプ米大統領は、シリアからの占領地・ゴラン高原についてイスラエルの主権を認めた。これはイスラエル国内で大きく報じられ、情勢を左右した可能性がある。

     トランプ氏は投票日直前には、イランの軍事組織・革命防衛隊を「外国テロ組織」に指定するとも発表した。イラン非難を繰り返すネタニヤフ氏には追い風になっただろう。

     トランプ政権はネタニヤフ氏の続投を受けて中東和平案を公表する方針だ。だが、イスラエルに偏った政策を打ち出している政権が、公正な仲介案を示すとは考えにくい。

     シリア、イランの反発も強まり、地域の緊張を高めている。中東が和平から遠ざかることを懸念する。

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