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象徴として

第5部 夫婦の歳月/下 老い実感、向き合う 体調管理に心配り

雨の中、一つの傘に入って最後の機会となる秋の園遊会に臨まれた天皇、皇后両陛下=東京都港区の赤坂御苑で2018年11月、渡部直樹撮影

 2月24日、東京・国立劇場で開かれた在位30年を祝う式典で、天皇陛下のあいさつが途中で止まった。原稿の順番を間違えて読んでいることに気づいた皇后さまから声をかけられたからだった。お二人で正しい原稿を探された。陛下は皇后さまに「どうも」と伝えると、再び読み進めた。

 ハプニングは「仲むつまじい」「ほほ笑ましい」とも受け止められた。しかし、ある宮内庁幹部は「ギリギリまで心身を酷使しておられる。退位の日まで心の休まる日はないのだろう」と天皇、皇后両陛下を案じた。

 陛下が退位について周囲に初めて相談したのは76歳だった2010年夏のこと。身体の衰えで国民の象徴としての活動ができなくなるならば退位すべきだと考えていたという。関係者は「高齢化が進む社会とどう向き合うか、皇室も例外ではないと早くから思いを巡らせていたのだろう」と推し量る。

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