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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第4部 世界の潮流/2 多様性富むアイデア支援 米国の社会起業家育成 個人の力、最大限発揮を

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約230年前に建てられたハルシオンハウス。今、社会起業家のためのインキュベーターになっている=米ワシントンのジョージタウンで2019年2月11日、須田桃子撮影
約230年前に建てられたハルシオンハウス。今、社会起業家のためのインキュベーターになっている=米ワシントンのジョージタウンで2019年2月11日、須田桃子撮影

 <科学の森>

 ●寮生活1万ドル給付

 野心的なベンチャー企業がイノベーションをけん引してきた米国では、新しい技術やアイデアを持った起業家を多様な形で支援する土壌がある。

 首都ワシントン西部のジョージタウン。落ち着いた街並みの中でひときわ目立つ「ハルシオンハウス」は、1780年代に初代海軍長官の邸宅として建設された歴史的建造物だ。中を案内されると、部屋数の多さとモダンでぜいたくな内装に驚いた。機能的なオフィスに加え、現代絵画の飾られた応接室や会議室、約200人収容のイベントホールまで併設されていた。

 ここは5年前から、NPOが社会起業家の育成施設として運営している。社会起業家とは、営利・非営利を問わず、環境や教育、健康などのさまざまな分野で社会的課題の解決を目指す人たちだ。現在は約300団体の応募者から選ばれた8団体12人のフェロー(研修生)が起業のノウハウやリーダーシップを学んだり、事業計画を練ったりし、何度も開かれるイベントで人脈作りにも励む。

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