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小学5、6年の「教科担任制」検討 文科省、授業の質向上へ

文部科学省=東京都千代田区で、長谷川直亮撮影

 文部科学省は、小学校5、6年の特定教科や科目について、専門教員が複数の学級を受け持つ「教科担任制」を推進する方針を固めた。2020年度から英語が正式教科となり、プログラミングが必修化されるなど専門性の高い教員が必要となる。教員の負担軽減につながる側面もあり、近く中央教育審議会(中教審)に諮って教員配置のあり方などを議論する。

 小学校では、学級担任が大部分の教科を教える「学級担任制」が一般的。教員が専門分野以外の教科を教えなければならないことに加え、異なる教科を教えるための準備に時間がかかる弊害も指摘されていた。

 20年度から「主体的・対話的で深い学び」を掲げる新学習指導要領が全面実施されることに伴い、教員にはより高い専門性や知識が必要となることが見込まれる。教科担任制を導入することで、英語やプログラミングなどの知識がある教員に、授業を任せることができるメリットがある。

 例えば英語については、他の教科を教えない「専科教員」は17年12月時点で約3900人いたが、文科省は20年度までに8000人に倍増する方針だ。

 教員負担の軽減につながる可能性もある。文科省の16年度調査によると、教員の1週間あたりの平均授業時間数は、教科担任制を取る公立中の17.9コマ(1コマ50分)に対し、取らない公立小は23.8コマ(同45分)。異なる授業を教える準備に時間がかかるため、中教審も今年1月、働き方改革の方策をまとめた答申で小学校での教科担任制充実を検討事項として挙げた。

 一方、担任が児童の能力や特徴を把握しにくくなるとの懸念もある。学級担任制ではクラス全体の運営を通じて児童の発達を確認することができるが、教科担任制ではきめ細かい指導ができなくなる恐れがある。

 また教科担任制には学級担任制より多くの教員確保が必要で、財政状況による自治体格差が生じる可能性は高い。児童数が少ない小規模校では各教科の担当教員を確保できず、そもそも実施が困難という課題もある。

 18年度に県内の9割超の小学校が2教科以上で導入した兵庫県や、19年度に92%が導入している仙台市、16校で試験導入する横浜市などは、いずれも大規模な自治体だ。

 文科省の18年度調査によると、全国の公立小6年で教科担任制を多く実施しているのは音楽55.6%、理科47.8%、家庭35.7%など。最も少ない国語(書写を除く)の3.5%、算数7.2%などとは大きな隔たりがある。【伊澤拓也】

教科担任制の主なメリットとデメリット

<メリット>

・専門的で質の高い授業ができる

・担当教科を絞ることで教員負担が軽減できる

・児童と担任の相性が悪い場合に他教科が逃げ場になる

<デメリット>

・児童の能力や特徴を把握しにくい

・小規模校では教員が足りない

・教科横断的な授業が展開しにくい

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