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ヒト受精卵の遺伝子改変、臨床応用防止へ法規制 政府検討

 政府は遺伝子を効率よく操作できるゲノム編集技術について、ヒトの受精卵の遺伝子を改変して母胎に戻す臨床応用を防ぐ法規制の検討に入った。これまで研究指針で規制する方針だったが、中国の研究者が昨秋、遺伝子を改変した受精卵を使い双子を誕生させたことを問題視。同様の事態が国内であれば安全性や倫理面で懸念が大きく、研究開発が遅れかねないとして方針を転換し、罰則を含む防止措置が必要と判断した。

 日本には現在、ヒト受精卵の遺伝子改変を禁止する法律はない。今月施行した国の指針で、不妊治療に役立てる目的に限り受精卵にゲノム編集を用いる基礎研究を容認した。遺伝子改変した受精卵を子宮に移植する臨床研究は別の指針で禁じているが、罰則はなく、医療目的で実施すれば指針の対象にならないなど抜け穴が指摘されてきた。

 政府は生命倫理専門調査会の作業部会で、2004年にヒト受精卵の扱いを定めた「基本的な考え方」の見直し作業を進めており、改変した受精卵を母胎に戻す行為を禁じる法規制の必要性を含む案を近くまとめる。一方、実験室レベルの研究も規制する包括的な法整備が必要との意見もあり、厚生労働省と文部科学省が具体策の検討を進める。

「デザイナーベビー」作製につながる恐れも

 ヒト受精卵の遺伝子改変は世代を超えて影響が及ぶ。遺伝性疾患が伝わるのを防ぐ期待もあるが、親が望む性質を持つ「デザイナーベビー」作製につながる恐れもある。主要国は臨床応用を法律で規制している。

 国内でも日本学術会議が17年に法規制の検討を提言したが、政府は▽技術の進展など変化に即応できない▽過度な規制は研究開発を遅らせる――といった理由で消極的だった。中国での双子誕生後の国会質疑でも、根本匠厚労相は指針による規制が適切としていた。【千葉紀和】

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