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3月の風の強い昼下がり。店のドアを開けると、中から明るい声が響いてきた。「午後も頑張ってね」。声に押し出されるように、常連客らしき男性が出ていく。八戸市の「はんかくさい喫茶 ぽん」の店主、高橋征子(ゆくこ)さん(77)は、いつもそう声を掛けて客を見送っている。
1968(昭和43)年創業。「はんかくさい」とは北海道や青森県などの方言で「ばからしい、ろくでもない」といった意味だ。亡き夫・永久さんが「飾らない店」という思いを込めて名前をつけた。
約35席の店内は、昼休憩中のスーツや作業着姿の人でにぎわっていた。目当ては名物ハムカレー。「何十年も前、余ったハムライスがもったいなくてカレーをかけてみたら、いつしか看板メニューになっていた」という。コーヒー付きで580円。値段も良心的で、働く人の胃袋を支える。
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