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英・EU離脱再延期 慶応大教授(英国外交史)細谷雄一氏/北海道大教授(国際政治学)遠藤乾氏

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新たな案、示唆か 慶応大教授(英国外交史) 細谷雄一氏

 欧州連合(EU)離脱期限の延期で英国は「合意なき離脱」という時限爆弾の針をいったん止めたものの、時限爆弾を爆発させないための解は持っておらず、根本的な課題解決ではない。

 メイ首相は今後、与党・保守党内の説得や野党・労働党との協議を通じて現行の離脱協定の4度目の採決を考えるだろう。だが、与党は離脱強硬派を、野党もEU残留派を党内に抱える。与野党とも党内分裂に陥ることを考えると両党間での合意をみいだすことは政治的には極めて難しい。更に保守党内ではメイ首相が労働党との交渉でEU関税同盟への残留に動き始めていることに対し、離脱強硬派や閣内の一部が明確に反発を強めている。メイ首相には党内や国民を説得する力がなく現時点でレームダック(死に体)状態だ。

 今回、EU側は比較的容易に離脱延期を認めた。無条件に延期を認めるはずはなく、メイ首相が2度目の国民投票や総選挙の実施などこれまで示してこなかったオプションを示唆した可能性が高い。労働党の協力のもと関税同盟残留案を通し、解散・総選挙を実施する可能性もあるが、コービン首相誕生は経済界が「合意なき離脱」以上に恐れており、事態は複雑だ。【聞き手・横山三加子】

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