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演劇散策

近松半二、対構造の妙=小玉祥子

「妹山背山の段」。2016年4月国立文楽劇場の公演より=国立劇場提供

 本の帯には「もう一人の近松がいた」とある。江戸期の上方で浄瑠璃作者として人気を博した近松半二を主人公にした大島真寿美の小説「渦」が3月に文芸春秋から刊行された。おりしもその半二の3作品が東京で、歌舞伎と文楽により3カ月連続で上演されている。

 3月が歌舞伎座の「盛綱陣屋(近江源氏先陣館)」、4月が同「新版歌祭文」、5月が国立劇場小劇場の文楽「妹背山(いもせやま)婦女(おんな)庭訓(ていきん)」だ。半二は享保10(1725)年生まれ。近松門左衛門に私淑して近松を名乗り、大坂・竹本座を主な舞台に活躍した。「奥州安達原」「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」「伊賀越道中双六」など、作品の多くは、今日まで文楽・歌舞伎でひっきりなしに上演されている。

 作品の大きな魅力のひとつが対照構造にある。「盛綱陣屋」では佐々木盛綱、高綱の兄弟が敵味方で争う。「…

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