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在留資格取得目指し筆記や実技に挑む 国内初の「宿泊業」など技能試験

宿泊業の技能試験開始を待つ外国人たち=東京・霞が関の国土交通省で2019年4月14日午後0時50分、和田武士撮影

 外国人労働者の受け入れ拡大に向け創設された在留資格「特定技能1号」の取得に必要な宿泊業の技能試験が14日、東京や大阪など全国7会場で行われた。技能試験の実施は国内で初めて。受け入れ対象は14業種で、フィリピン・マニラでは13、14日、介護業の技能試験も実施された。合格者は就職先探しや入管当局の審査を経て、今夏にも日本で働くことになる。

受け入れが始まる14業種

 東京は宿泊業を所管する霞が関の国土交通省で行われ、124人が出席した。試験は業界団体でつくる宿泊業技能試験センターが作成。フロント業務や接客、安全衛生などについて○×式で答える30問の筆記試験と、宿泊業に必要な日本語による基本的な受け答えの実技試験に挑んだ。合否は5月25日に発表される。

 インドネシア人女性で、埼玉県内の食品工場で3年の技能実習を終えたエルマ・スリスティア・ニンルムさん(24)は、同じ業務なら無試験で新資格を取得できるが「人と接する仕事がしたい」と宿泊業に挑戦。日本でレストランを開業するのが夢だが、外食業の試験はスケジュールの都合で受験を見送った。「宿泊業は経験がなく、試験は難しかった」と振り返った。

 バングラデシュ人男性で、製図の専門学校に通うイスラム・アメジ・タリクルーさん(25)は「専門学校で学んだ内容で就職するのは厳しい」と話し、就職機会の幅を広げるために受験したと明かした。

 宿泊業は今年度から5年間で最大2万2000人の受け入れを見込んでおり、試験には早速申し込みが殺到する形となった。国交省によると、受け付け開始から約10日で札幌以外の6会場が満席になり、担当者は「予想以上に関心が高かった」と驚く。ただ、この日の受験者は申し込みの半数強の計391人にとどまり、「結果を分析して次回試験に生かしたい」(担当者)としている。国籍別ではベトナム、ミャンマー、ネパールが多く、旅館やホテルでアルバイトをする留学生が中心とみられる。

 外食業も25、26日、東京と大阪で技能試験を実施する。当初は25日のみの予定だったが、受け付け開始当日に定員計338人を上回り、26日の実施を決めた。両日で1000人程度が受験できるという。第2回は6月までに実施する。

 宿泊業の試験は当初はベトナムでも実施予定だったが、悪質ブローカーの排除を目的とした政府間の協力覚書の締結が間に合わず、実施を見送った。既に覚書が締結されているフィリピンであった介護業の技能試験には、125人が受験を申し込んだ。今後、実施国を拡大していくという。

 特定技能1号は、技能実習を修了すれば無試験で取得できる。ただ、14業種のうち宿泊、外食は技能実習の対象外で、介護も今月時点で修了者がいないため、他業種より早い試験実施になった。一方、実習生からの移行を見込む11業種は遅くとも今年度中に技能試験を実施予定だが、多くは時期や場所が決まっていない。【和田武士】

特定技能

 1日に施行された改正入管法で新設された在留資格。(1)一定の知識・経験を要する「1号」(通算5年まで、家族帯同不可)(2)熟練した技能が必要な「2号」(在留期間更新可、配偶者と子の帯同可)――の2種類ある。取得には業種・業務ごとの技能試験合格が必要だが、技能実習修了者は無試験で1号に移行可能。政府は対象14業種で最大34万5150人の受け入れを見込む。2号は1号から技能試験を経て移行することが想定されており、建設業と造船業が受け入れを検討している。

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