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名古屋中1自殺で第三者委「いじめ認められない」 父親再調査要求へ

 名古屋市名東区の市立中学校1年の女子生徒(当時13歳)が昨年1月に自殺した問題で、市教育委員会は15日、第三者委員会「市いじめ対策検討会議」が「心身の苦痛を感じるいじめは認められない」との報告書をまとめたと発表した。女子生徒の父親(47)は調査が不十分として、いじめ防止対策推進法に基づき、河村たかし市長に再調査を求める。

     女子生徒は2017年9月に大阪府から転校し11月にソフトテニス部に入った。昨年1月5日、部員も参加する地域の合宿に姿を見せず自宅マンションから転落死した。愛知県警は自殺と判断した。

     第三者委は精神科医や弁護士ら有識者6人で構成し、昨年5月から教員や部活動の仲間、同級生への聞き取りなどをしてきた。

     報告書は自殺の原因について、部活動の長時間練習と少ない休みなどで心身の疲労が蓄積し、練習量の多い合宿への参加に不安が大きかったものの、真面目な性格から「休みたい」と言えず、家を出た後に行き場を失ったと結論づけた。部活動は当時、練習時間や日数の制限はなく、「過度な練習で心身の不調を来した可能性が高い」と指摘した。

     一方、市教委が全校生徒に実施したアンケートでは「女子生徒を無視する部員がいる」など周囲とのトラブルに関する記述が複数あり、遺族は「いじめがあった」と主張してきた。これについて報告書は、第三者委の聞き取りで無視された行為が確認できず、女子生徒が生前に答えたアンケートで嫌がらせなどを受けたことはないと回答していた点などから、「いじめは認められない」とした。

     父親は15日に記者会見して「死の原因について理解できるものが何一つない。疲れたぐらいで死ぬような子ではない」と語った。河村市長は報道陣に「ご遺族から直接話を聞いた上で再調査するか判断する」と述べた。【三上剛輝】

    遺族側「ずさんで、臆測の作文」

     女子生徒の父親や記者会見に同席した弁護士は報告書を「ずさんで、臆測の作文」と批判した。第三者委員会と言い分が真っ向から対立している。

     遺書はなかった。遺族側は全校生徒対象のアンケートの記述から「いじめがあった」と主張するが、第三者委は「聞き取りの結果、(記述は)伝聞情報で直接見聞きしたものはない」と判断した。

     遺族側は、部活動の仲間や同級生ら聞き取り対象の生徒83人のうち、半分以下の37人からしか話が聞けておらず「核心に迫れていない」と指摘する。

     第三者委が自殺の原因に挙げた「部活動の疲れ」は、土日のいずれかを休養日とするといった当時の目安が守れていなかったことなど、「状況証拠の積み重ね」で判断された。これについて相談を受けた友人はいないが、報告書は女子生徒が疲弊していった心の動きを具体的に記載した。

     調査方法に関しても遺族側は、第三者委の会議に市教委職員が毎回同席したことを挙げ「中立性、公平性が保たれていない」と問題視する。これに対し市教委は「資料や情報提供のためで、第三者委の見解を誘導したことはない」と強調した。【三上剛輝】

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