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強制不妊を医学会が検証 関与の実態解明する専門委を17日設置

 国内132の医学系学会が加盟する日本医学会連合が、旧優生保護法(1948~96年)に基づく強制不妊手術への医学者や学会の関与について検証を始める方針を決めた。各学会の専門家による委員会を17日に設置する。強制不妊の推進には精神医学など複数の学会が関与したが、自己検証を始めたのは一部にとどまる。全体を統括する医学会の調査で、不明な点も多い医学者らの関与の実態解明が進むと期待される。

 医学系で国内最大の学術組織である医学会が、加盟学会や医学者の行動に関する歴史問題に向き合うのは異例だ。当時の医学者らが強制不妊を推進した要因などを教訓とし、個人のゲノム(全遺伝情報)の医療応用をはじめ、優生学との線引きが難しい現代医学の課題の指針にする狙いがある。

 強制不妊の推進に医学会の関与は確認されていないが、加盟する複数の学会や医療者組織は関わっていたことが判明している。

 このうち、障害者が増える「逆淘汰(ぎゃくとうた)」を危惧して優生政策の普及を国に提言していた日本衛生学会が昨年、過ちを認めたほか、不妊手術を都道府県の優生保護審査会に申請した精神科医が所属する日本精神神経学会も、自己検証を予定している。

 一方、旧法の成立を主導し、不妊手術も担った産婦人科などの学会は検証に消極的だ。また、海外の国々は70年代には優生政策を廃止したが、日本は96年まで続き被害が拡大した。疑問の声がありながら見過ごした関連学会の対応も問われている。

 検証委は、医学会の研究倫理委員長を務める信州大の市川家國(いえくに)特任教授ら10人程度を中心に発足し、外部の識者も加える。海外の検証例も踏まえ、なぜ医学者たちが関与し、どうすれば防げたのかを検証し、報告書にまとめる。複数の理事は「先人が人権侵害に関与したことは看過できない。再発防止につなげる観点から、学術的に問題点を検証し教訓を生かしたい」と語る。

 医学会は1902(明治35)年に創立。傘下の学会には研究者や医師ら延べ103万人が所属する。【千葉紀和】

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