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アブラムシが巣を修復する仕組みを解明 産総研などの研究チーム

巣を修復するモンゼンイスアブラムシの兵隊幼虫=沓掛磨也子・産業技術総合研究所主任研究員提供
モンゼンイスアブラムシの虫こぶ(巣)=沓掛磨也子・産業技術総合研究所主任研究員提供
巣を修復するモンゼンイスアブラムシの兵隊幼虫=沓掛磨也子・産業技術総合研究所主任研究員提供
体液を出して巣の穴を修復するモンゼンイスアブラムシの兵隊幼虫=沓掛磨也子・産業技術総合研究所主任研究員提供

 アブラムシの一種が、植物の組織でできた巣「虫こぶ」の穴を自らの体液でふさぐ仕組みを解明したと、産業技術総合研究所(産総研)などの研究チームが発表した。2ミリ四方程度の穴の場合は幼虫100匹以上が集まって30分以内にふさぐという。米科学アカデミー紀要(電子版)に16日掲載された。

 アブラムシの仲間約5000種のうち約80種はシロアリなどと同じ役割分担をする社会性昆虫で、生殖を担う個体と巣の防衛を担う個体がある。このうちモンゼンイスアブラムシは、関東から九州まで広く分布する常緑樹イスノキに寄生し、組織を変形させて虫こぶを作る。体長約0・5ミリで、ガの幼虫など敵が襲ってきて虫こぶに穴ができると、防衛などを担う「兵隊幼虫」が凝固性の高い体液を出してふさぐ。

 分子レベルの解析で、メラニン色素のもとになるアミノ酸の一種チロシンや、メラニン合成に必要な酵素、特殊なたんぱく質を大量に含むことが判明。また、体液には高濃度の脂質が含まれていた。チームによると、体液が放出されると、脂質がすばやく固まってまず穴をふさぎ、その後のメラニン合成の過程でたんぱく質同士が結合し、硬い「かさぶた」になるという。

 巣のかさぶたを作る仕組みの一部はアブラムシ自身の傷を修復する仕組みを利用しており、体液を放出した幼虫は体が縮んだまま成長せずに死んでいく。チームの沓掛磨也子・産総研主任研究員(昆虫分子生物学)は「兵隊アブラムシのように研究室で飼育しにくい昆虫にはまだまだ知られていない機能がある。今後はチロシンなどかさぶたの材料を体内にためておく仕組みを明らかにしたい」と話す。【大場あい】

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