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「いじめが大きく寄与」因果関係を初認定 神戸・中3自殺の再調査報告書

再調査委員会の吉田圭吾委員長(右)から調査報告書を受け取った後、コメントを発表する久元喜造神戸市長=神戸市中央区で2019年4月16日午前10時33分、梅田麻衣子撮影

 2016年に神戸市立中学3年の女子生徒(当時14歳)が自殺した問題で、市の再調査委員会は16日、調査報告書を久元喜造市長に提出した。報告書は自殺の要因について「中1から中3までのいじめが大きく寄与していた」とし、因果関係を初めて認めた。市教委首席指導主事(当時)らによる同級生の聞き取りメモの隠蔽(いんぺい)についても「遺族や心ある生徒の思いが非常に軽く扱われた」と厳しく批判した。

 報告書によると、いじめは中学1年の時、インターネット上で始まった。2年で「無視しよう」「絵がきもい」などの陰口や無視する行為が加わり、3年では体育会の大縄跳びの練習を休んだことを非難する行為があった。

 いじめと自殺との関連性について「女子生徒が学校内で完全に孤立し、誰に相談しても無意味との絶望感を抱いた」として、家庭内には特段の問題がないことから、いじめが自殺に大きく関与したと結論付けた。

 女子生徒の自殺から5日後に同級生6人から聞き取ったメモを隠蔽した行為については「生徒や保護者の不信感は非常に深い」と批判。学校側の対応について、女子生徒が中学1年と2年の時、市教委へのいじめの報告が0件だったことを挙げ、「教職員の誰一人としていじめと認識していなかった」と問題点を指摘した。

 女子生徒は16年10月に神戸市垂水区内で自殺。同月設置された市教委の第三者委員会は17年8月、複数の同級生による容姿の中傷や足をかけるなどのいじめの事実を認めたが、自殺の原因は「特定できない」とする報告書をまとめていた。

 生徒の母親は17年2月にメモの開示を求めたが、首席指導主事は学校の校長に「事務処理が煩雑になる」と隠蔽を指示し、神戸地裁が翌月に証拠保全を決定しても「腹をくくってください」と改めて提出しないよう求めた。

 昨年4月に市教委は一転、「メモはあった」と認め、久元市長が同7月に再調査委を設置。臨床心理士の吉田圭吾・神戸大大学院教授が委員長となり、遺族や同級生、教職員、市教委関係者ら40人から改めて事情を聴いていた。久元市長は報告書を受け取った後、「因果関係が明らかになった。遺族におわび申し上げる」と話した。

 市教委は今年1月、首席指導主事を停職3カ月とするなど幹部6人を処分。既に退職した校長を減給10分の1(3カ月)相当とした。主事は今年2月、母親に謝罪した。【栗田亨、目野創】

  ◇再調査報告書の骨子

・女子生徒は中学1年から3年まで、クラスの生徒らからネット上などでいじめを受けていた

・いじめと自殺との関連性を認定する

・女子生徒に関する出来事について、教師は誰もいじめと認識せず人間関係のトラブルと捉えた

・女子生徒の異変に気づき心配した生徒が複数いたが、教師に相談する関係性はなかった

・メモの隠蔽(いんぺい)について、女子生徒の遺族や関係生徒、保護者は強い不信感を持った

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