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武田 砂鉄・評『超孤独死社会』菅野久美子・著

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孤独をなくすだけでなく孤独を受け入れる社会を

◆『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』菅野久美子・著(毎日新聞出版/税別1600円)

 「緩やかな自殺」とまで言われる孤独死は年間3万人。1000万人もの人々が孤立状態で暮らしている日本だが、週刊誌を開けば、軒並み「死に方」が議論されている。穏やかに死ぬ、というより、どうすれば迷惑をかけずに死ねるかが優先される。

 あまりに残酷な孤独死の現場の後始末を行う「特殊清掃業者」を追うと、無慈悲な社会が浮き上がってくる。「特殊清掃業者にとって、孤独死の最も多く発生する夏場はかき入れ時だ」という一文が多くを物語る。密室で命を落とした誰かの存在が、おびただしい数の蠅(はえ)や蛆(うじ)、時には玄関の入り口付近に放射線状に広がるゼリー状のドロドロした液体によって知らされる。ただ命をつなぐために飲み、食べる。排泄(はいせつ…

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