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社説

ドコモの料金値下げ これを機に健全な競争を

 高額で複雑な携帯電話料金が手ごろで簡素になるのか。これをきっかけに健全な競争を促したい。

     携帯電話最大手のNTTドコモが通信料金と端末代金を分離し、通信料を下げる新プランを発表した。

     契約継続を条件に端末代金を割り引く「セット販売」を廃止し、通信量の多寡で2種類に簡素化する。家族向けで最大4割安くなるという。

     日本の通信料は海外に比べて割高だ。値下げは当然だろう。今秋には大手3社に加え楽天が市場参入する。さらなる競争につながるはずだ。

     携帯電話の普及でセット販売が一定の役割を果たしたのは事実だ。しかし、同じ端末を長く使う人にはメリットが少なく、格安端末の成長を妨げてきた側面も否定できない。

     携帯電話市場は、一時は0円端末が店頭にあふれるなど、表面上の過当競争こそあったが、その原資は長期利用者らがまかなっていた。

     セット販売とともに2年縛り、4年縛りなどの契約で顧客を囲い込んでいたからだ。契約時に多数のオプション契約を結ばせ、料金が不透明だとの不満もあった。市場が成熟する中、料金体系見直しは時代を反映した結果といえよう。

     ただし、セット販売で値引きされていた高機能のスマートフォン(スマホ)の価格が高くなる恐れもある。そうなれば効果は相殺される。

     スマホはバッテリーの消耗などで2~3年で買い替える消費者もいる。端末の値下げ努力も必要だ。

     機能を絞った手ごろな機種の提供や、割安な中古機を安心して購入できる新たな市場も求められる。

     今回の値下げの直接のきっかけとなったのは政治の働きかけだ。

     昨年8月に菅義偉官房長官が「4割下げる余地がある」と値下げを促した。さらに総務省は今秋にも電気通信事業法を改正し、通信料と端末代の完全分離を義務化する方針だ。

     本来、民間企業の価格決定に政治が介入するのは筋違いだ。なのに、政治主導で外堀を埋められるまで対応を取れなかったのは、遅きに失したと言われても仕方あるまい。

     携帯などは公共の電波を利用し、社会インフラを担う。地震や水害など自然災害時に命を守る手段としても欠かせない。料金やサービスを消費者目線で提供する責任がある。

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