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メディア時評

元号商戦で消えた「天皇」=倉橋耕平・社会学者

 4月1日、新元号「令和」が発表された。昭和の終わりにあった「崩御・即位・新元号」の三位一体のメディアイベントの解体/分割であると同時に、今回はその三つが逆順で行われていくことを意味する。

 この日のテレビ欄に着目しよう。「新元号」というキーワードにマーカーを引けば、朝から晩まで途切れなく特別番組や特集が組まれたことがわかる。関西テレビでは、8番組連続で新元号を扱う。チャンネルを変えても新元号一色で代わり映えしない。翌2日のテレビ欄には<「令和」旋風><「令和」あやかり商戦><“令和”フィーバー!?><「令和」ゆかりの地><“令和”グッズ><金爆新元号の歌初披露>などの文字が並ぶ。メディアに現れたのは徹頭徹尾、商品として消費される記号としての元号ではないか。

 昭和の終わりと比べると違いがわかる。1989年1月8日、昭和天皇崩御の翌日の毎日新聞テレビ欄には「平成」の文字は四つしかない。あるのは「昭和」であり「天皇」である。他方、1日朝刊テレビ欄には「天皇」の文字は二つしかない。近代日本国家の一天皇一元号の運用は、今回の改元では厳密ではない。天皇の「身体」と結びつかない新元号という空疎な記号だけが浮遊する。「天皇抜きの元号商戦」がこのメディアイベントの内…

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