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東京へ ともに歩む

毎日新聞

日本選手権男子200メートル平泳ぎで初優勝した渡辺一平=東京辰巳国際水泳場で2019年4月7日、宮武祐希撮影

アスリート交差点2020

記憶に残るスイマーへ 「楽に速く」で世界新へ=競泳・渡辺一平

 4月からトヨタ自動車所属となりました。新たな所属で臨んだ今月の日本選手権の男子200メートル平泳ぎで初優勝できましたが、公言していた自らの世界記録(2分6秒67)更新はかないませんでした。たくさんの方に支えていただいている感謝を胸に、社会人スイマーとして強い責任を感じて泳ぎました。

     ここ数カ月間は「必ず世界記録を更新する」と言い続けてきました。メディアの前でも話すことで、もちろんプレッシャーを感じることはありましたが、東京五輪の重圧はこんなものではないと思っています。もっと大きな重圧と闘うことになると思います。だから、今回は自らでそういう状況を作り出したかったという思いもありました。

     また、今大会は日本代表でともに戦ってきて、現在は白血病で闘病中の池江璃花子選手(ルネサンス)への思いもありました。池江選手は昨年、日本記録を連発し、大会を引っ張ってくれました。泳ぎたくても泳げない池江選手の分まで絶対妥協してはいけないと思いました。(池江選手に)見せても恥ずかしくない練習に取り組んできました。記録を更新できると心から思っていただけに残念でしたが、2分7秒02は自身2番目に良い記録でした。自分に更新できる力があるという自信にもなりました。これほどの手応えを得られたのは、世界記録をマークしてから初めてでした。

     課題は明確です。今回はラスト50メートルで、ばててしまいました。ただ、150メートル通過までは理想的なタイムでした。終盤の泳ぎを強化していくことと、そこに至るまで疲労を抑えて泳げるようにトレーニングする必要があります。「楽に速く」を意識するこれまで通りの練習で強化できると考えています。本数を重ねるごとにタイムを縮め、ラスト一本の泳ぎで、その日の一番良いパフォーマンスがでるよう心がけています。

     これらを強化することで2分5秒台も見えてきます。0秒01の更新ではなく、大幅に記録を塗り替えられる可能性を感じています。7月の世界選手権に向け、自らの記録との勝負を続けていきます。(あすは柔道・阿部一二三です)


     Q 印象に残る門出や人生の転機は何ですか?

     A 大きな転機は高校入学でした。練習時間も限られ、多くても泳ぐ距離は1日に4000メートルほどでした。

     今の自分に何が必要なのか。コーチから練習メニューを与えられるだけではなく、自らそう考えながら取り組んだことで水泳が楽しくなり、記録も伸びていきました。

     また、高校3年のユース五輪で金メダルを取れたことで、早稲田大に進学して水泳を続けることを決めました。前年に東京五輪の開催が決まっていたこともあり、記者からは「東京五輪の目標は」と聞かれるようにもなり、明確に目標を持つようにもなりました。


     ■人物略歴

    わたなべ・いっぺい

     大分県出身。佐伯鶴城高3年時の2014年ユース五輪男子200メートル平泳ぎで金メダル。16年リオデジャネイロ五輪6位に入り、17年1月に2分6秒67の世界記録を樹立。早稲田大卒。トヨタ自動車所属。22歳。