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天皇、皇后両陛下が葉山御用邸(神奈川県)で静養なさる時、三浦半島にある我が家に来られることがあります。畑で取れた大根の料理をお出しし、大根の相場をご説明する。景気の話や夫婦げんかの話もします。小説家の私の役割は、あらゆる庶民の暮らしを「この世の雑音」として両陛下にお届けすることと思ってきました。
両陛下はどんな話も聞いてくださいます。私が呼んだお友達の話も大切にされる。聞くことは最高の対人関係の優しさです。
我が家の日系ブラジル人のお手伝いさんがお茶をお出しした時、天皇陛下は立ち上がってあいさつされた。彼女がとても驚いたことは今でも語りぐさです。両陛下はお互いの記憶を自然に補いあって思い出話もされる。天皇、皇后という立場の方は他にありませんから、お互いが唯一無二のアドバイザー。ほれ抜いておられる幸せなご夫婦だと感じます。
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