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社説

文科省の「教科担任」構想 小学校にも変化の大波が

 文部科学相が小中高校の教育のあり方の総合的な見直しを中央教育審議会に諮問した。

     柱となるのは小学5、6年生の授業での「教科担任制」の拡大だ。教員が専門の教科について複数のクラスを受け持つ仕組みで、今も音楽や理科などで実施されているが、一部にとどまっていた。

     拡大の背景にあるのは教育改革だ。来年度から英語が正式教科となり、プログラミングも必修化されるなど、小学校でも専門的な指導による教育の質の確保が求められる。

     同時に、専門性の高い英語などの授業準備に教員が時間を取られ、過重労働が指摘される中で負担がさらに増えることも懸念されている。

     クラス担任が全教科を教える学級担任制が基本の小学校で、教科担任制の拡大を検討するのは、こうした事情がある。ただし、そのためには解決すべき課題も多い。

     まず、専門教育を行える教員の確保だ。英語やプログラミングなどに精通した小学校教員をどう養成するのか。教員免許の仕組み、採用や研修の方法などを、この拡大に合わせて考えていく必要がある。

     また、少子化に伴い増えている小規模校では、教員の数が少なく、教科担任制への対応は難しいことも指摘せねばなるまい。

     小中学校を一つに統合した「義務教育学校」の設置が2016年4月から認められており、こうした小中一貫化の推進で対応を図る考え方もある。だが、現在は小学校教員と中学校教員の免許状は異なる。

     都市の大規模校だけ教科担任制を推進すると、結果的に町村部との教育格差を拡大しかねない。人口減少が加速する中で、小学校の統廃合をどう進めていくかなど、総合的なビジョン作りが欠かせないはずだ。

     教科担任制を広げた場合、クラス担任が児童の総合的な能力・特徴をつかみにくくなるのではないか、との指摘もある。

     それでも、少子化などの社会の変化を踏まえ、小学校でも教育改革の大きな流れを受け止めていかざるを得ないだろう。

     中教審は来年末に答申を取りまとめる予定だ。課題を整理し、議論を尽くしたうえで、小学校教育の将来像を構築していくべきだ。

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