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藤原帰一の映画愛

幸福なラザロ 無垢なるものの犠牲が照らし出す「罪と救い」

 貧しいイタリア社会が舞台。それがもう、ほんとうに貧しいんですが、見ていると心が洗われてゆくような思いに駆られてしまう。なんとも不思議な映画です。

 人里離れたイタリアの村。時代は1980年代ですからもう小作制度なんてなくなっていますけど、タバコ農園の地主である侯爵夫人は小作制度が続いていると騙(だま)している。おかげで50人を超える村人たちは学校教育を受けることもなく、賦役のような労働を強制され、借金と称して報酬を奪われるために事実上のただ働き。おまけにお屋敷の手伝いまで強制させるという具合で、これはもう小作人というよりは農奴なんて言葉が浮かんでくるようなひどい暮らしを強いられています。

 映画の主人公は、誰が親かも分からない、ラザロという名の青年。純真無垢(むく)を絵に描いたような人で…

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