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社説

五輪開催時の輸送対策 円滑な移動に協力しよう

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 来夏に迫った東京五輪を見据え、政府はこの夏、交通機関の混雑緩和策を探る大規模シミュレーションを行う。人の移動手段をどう確保するかは大会の成否を握る。綿密な試行で本番に生かさねばならない。

     大会は史上最多33競技339種目が実施される。マラソンや競泳、陸上など午前に決勝を行う種目もある。一日を通じて大会の盛り上がりを感じることができそうだ。

     その傍らで懸念されるのが観客らの移動による市民生活への影響だ。

     首都圏の平日の鉄道利用者は800万人とされ、大会中は1日約70万人がさらに加わると見込まれる。

     早朝から激しい混雑になるだろう。密着して圧迫感がある「乗車率200%」の電車が通常より5割増えるとの試算もある。遅延や事故などのトラブルを誘発しかねない。

     そのため東京都と組織委員会、国は在宅勤務といったテレワーク、時差出勤、休暇取得を推進している。

     今夏の試行は、混雑が予想される首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の内側にある官庁が対象で、全体の2割にあたる1万人が時差出勤などに取り組む。東京都も本庁職員の半数にあたる5000人が実施する。

     詳細な競技日程が発表されたことで日程に即した試行が可能になった。結果を通勤客や住民、観戦を予定している人々に周知し、混雑緩和への協力を呼びかけてほしい。

     民間企業の協力も欠かせない。テレワークへの取り組みは五輪時の一時的な対策にとどまらず、働き方改革につながる。

     大会関係者の主要輸送ルートとなる高速道路の渋滞対策も課題だ。

     組織委などは、時間帯によって首都高速道路の料金を500~3000円上乗せする制度の導入を検討している。競技時間帯の料金を引き上げ、交通量を減らすのが狙いだ。

     経済活動への影響を抑えるため、一般の利用者にのみ課す方針だけに、より丁寧な説明が求められる。

     物流業界では、競技時間帯を避けて配送を夜間中心にすればドライバーの労働強化につながる、といった懸念の声もまだ多い。

     日常生活へのしわ寄せを極力なくすこととスムーズな大会運営とを、どう両立させていくか。国民も向き合わねばならない。

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