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社説

衆院沖縄3区補選 政権に問う3連敗の重み

 辺野古埋め立てを既成事実化して住民のあきらめムードを作り出す。そんな戦術が全く通用しないことを、政権はどう考えているのか。

 衆院沖縄3区の補欠選挙で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する野党系無所属の屋良朝博(やらともひろ)氏が、自民党公認の島尻安伊子(しまじりあいこ)氏を大差で破り、初当選を果たした。

 玉城デニー氏の知事選出馬に伴う補選だった。沖縄3区は辺野古のある名護市など沖縄本島北部をエリアとする。2014、17年の衆院選で自民党候補を破った玉城氏の後を継ぎ、移設反対派が議席を守った。

 この半年余りを振り返れば、昨年9月の知事選、今年2月の県民投票に続き「辺野古ノー」の民意が三たび示されたことになる。

 安倍政権としては、沖縄の民意を無視する形で埋め立ての土砂投入に踏み切った上での3連敗である。

 選挙戦の構図は昨年の知事選と同じく、野党勢力が一致して支援する「オール沖縄」陣営と、自民、公明の与党に日本維新の会が協力する「自公維」陣営との対決だった。

 知事選で自公維は辺野古問題への言及を避ける戦術をとり「争点隠し」と批判された。その際、経済や福祉などさまざまなテーマが争点だと主張したのが菅義偉官房長官だ。

 今回の補選で島尻氏は、辺野古移設容認をあえて明言して敗れた。もはや論点をずらして結果をぼやかしたり、特殊な地域事情と片付けたりするようなことは許されない。

 島尻氏は参院議員を2期、沖縄・北方担当相も務めた知名度がありながら、全く及ばなかった。安倍政権がこの結果を真摯(しんし)に受け止めないなら、選挙という民主的手続きが何の意味もないことになる。

 自民党内には沖縄3区の負けを織り込み済みと強がる空気があった。第2次安倍政権以降の国政選挙で自民党は沖縄で敗北が続いても全国的には勝利を重ねてきたからだ。

 その結果、政権運営に支障さえなければ沖縄の民意は軽んじても構わないという、倒錯した意識が生まれてはいないだろうか。

 政府の正統性は国民に由来する。権力行使の正統性も時々の選挙によってチェックされる。安倍政権は直ちに工事を中止し、沖縄の民意と向き合うべきだ。

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