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短歌月評

残りたる時間短し=加藤英彦

・手の甲に首の寝汗をぬぐひをり戦さを知らぬ中年のくび

 戦後七十四年。戦争体験者を仮に八十歳以上とすれば、昨年一月の総務省統計では百人中八人となる。九十二人は「戦(いく)さを知らぬ」世代なのだ。右は今年第53回迢空賞を受賞した内藤明歌集『薄明の窓』から。

 内藤も私も戦後世代ですでに還暦を越えた。その「戦さを知らぬ」世代が、今戦争の兆しを肌身に感じるとはどういうことか。戦時下に国威昂揚歌を量産した短歌は、その暗い歴史を背負って戦後を出発した。だから反戦を詠うべきだというのではない。どのような意味であれ、政治的なプロパガンダに堕(お)ちた短歌は文学から退場するしかない。ただ、かつて歩んだ時代の暗部に自覚的な場所から言葉を発したいと思うのだ。

・言論の締め付けられてゆくさまを今見る如くかつて読みにき

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