タイラギ漁復活へ 佐賀など九州4県、人工稚貝放流 漁業者からは疑問の声も
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有明海特産の高級二枚貝「タイラギ」の漁再開に向け、国と佐賀、福岡、長崎、熊本4県が人工稚貝(ちがい)の放流に取り組んでいる。安定的に生産できるようになった人工稚貝を放流し、稚貝が成長して世代循環できる「母貝(ぼがい)団地」の形成を目指す。同様に不漁だったアゲマキは人工稚貝放流で生息数が回復し、昨年から漁を再開できただけに関係者は効果に期待を寄せるが、漁業者からは「対症療法に過ぎず、問題の根本的解決にはならない」と疑問視する声も上がる。
有明海でのタイラギの漁獲量は、1996年度の318トン(貝柱の重さ)をピークに減少。2012年度から7季連続で休漁を余儀なくされている。原因は特定できないが、タイラギが生息する海底付近の酸素が不足する「貧酸素水塊」やナルトビエイによる食害などが指摘されている。貧酸素状態は国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防閉め切りで潮流が変化した影響とする漁業者もいる。
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