メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

SUNDAY LIBRARY

上原 隆・評『荒野にて』『くわえ煙草とカレーライス』

見たままを書いた簡潔な文章から初夏のさわやかな風が吹いてきた

◆『荒野にて』ウィリー・ヴローティン/著、北田絵里子/訳(早川書房/税別2000円)

◆『くわえ煙草とカレーライス』片岡義男・著(河出書房新社/1800円)

「映画のように書きなさい」

 哲学者は私にむかってそういった。私が文章を書いて発表しはじめた頃のことだ。「映画のように」というのは、見たままを書き、自分の感情や理屈はひかえた方が良いということで、実際上は、名詞と動詞を中心として、なるべく形容詞や副詞はさける、「美しい」とか「とても」とかは使わないようにする。私は、その哲学者の思想と同じくらい文章論を信奉していたので、この教えを守ることにした。

 ウィリー・ヴローティン『荒野にて』(北田絵里子訳)はこんな文章からはじまる。「その朝ぼくは、まだか…

この記事は有料記事です。

残り1101文字(全文1455文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. チュート徳井さん設立の会社、1億2000万円申告漏れ 東京国税局が指摘

  2. サッカーキング アディダスが日本代表新ユニのリークへ声明発表…正式発表は後日実施へ

  3. 再審無罪が確実の元看護助手、安堵の表情「両親が安心する」 滋賀・病院患者死亡

  4. 元パラ選手マリーケ・フェルフールトさん安楽死 ロンドン、リオで金含む複数メダル

  5. 即位の礼 来日中のドゥテルテ大統領、饗宴の儀欠席 バイク事故で痛み、前倒し帰国へ

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです