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SUNDAY LIBRARY

上原 隆・評『荒野にて』『くわえ煙草とカレーライス』

見たままを書いた簡潔な文章から初夏のさわやかな風が吹いてきた

◆『荒野にて』ウィリー・ヴローティン/著、北田絵里子/訳(早川書房/税別2000円)

◆『くわえ煙草とカレーライス』片岡義男・著(河出書房新社/1800円)

「映画のように書きなさい」

 哲学者は私にむかってそういった。私が文章を書いて発表しはじめた頃のことだ。「映画のように」というのは、見たままを書き、自分の感情や理屈はひかえた方が良いということで、実際上は、名詞と動詞を中心として、なるべく形容詞や副詞はさける、「美しい」とか「とても」とかは使わないようにする。私は、その哲学者の思想と同じくらい文章論を信奉していたので、この教えを守ることにした。

 ウィリー・ヴローティン『荒野にて』(北田絵里子訳)はこんな文章からはじまる。「その朝ぼくは、まだか…

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