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文芸時評

4月 私のおすすめ 大澤聡(批評家)

(1)カク景芳(ハオジンファン)著、及川茜訳『カク景芳短篇集』(白水社)

(2)大前粟生『私と鰐と妹の部屋』(書肆侃侃房)

(3)伊藤浩子『たましずめ/夕波』(思潮社)

SFにこめた現代の課題

 3分間の現象に数十頁(ページ)費やすこともできれば、数十年を3行に要約することだってできてしまう。物語の時間操作は読者につかの間の“別の生”を生きさせる。

 (1)は中国SFの短編7作。貧富に応じて3層に区画された都市が24時間ごとに「転換」し3交替制で生活時間を与え……という設定の巻頭作をはじめ、いずれもSF特有の奇抜なガジェットが、けれど経済格差や医療倫理、ネット空間など現実社会の諸課題、さらにはキャリア形成や家族関係、他者との対話など現代人の苦悩を精確に炙(あぶ)り出す。

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