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強制不妊救済法が成立 「心からおわび」320万円支給 月内に施行へ

旧優生保護法下で不妊手術を受けた障害者らに対する救済法が参院本会議で可決、成立し笑顔を見せる被害者ら=国会内で2019年4月24日午前10時52分、藤井達也撮影

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を受けさせられた障害者らへの救済法が24日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。国家賠償訴訟が起こされた事案で、判決前に被害者の救済法が制定されるのは異例。高齢化が進む被害者の早期救済に一歩前進した形だが、被害者側が求める一時金の額や周知方法と隔たりがあり、全面解決に向け課題が残る。早ければ同日中に施行され、6月末にも一時金支給が始まる。

 欧州歴訪中の安倍晋三首相は成立後、「手術を強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことに対し、政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、真摯(しんし)に反省し、心からおわび申し上げる」との談話を発表。法律の趣旨の周知や、差別を繰り返さない社会の実現に尽力する姿勢を示した。

 障害者らへの不妊手術の規定が廃止された96年以降、政府は一貫して「手術は合法だった」との姿勢を取っている。だが、昨年1月に手術を受けた当事者らが国賠訴訟を起こすと、与党ワーキングチームと超党派の議員連盟が発足。議員立法による救済法案をまとめ、今月10日に提出した。

 前文では、被害者が受けた苦痛に対して「我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする」と明記した。「我々」は国会や政府を含むとの解釈だが、裁判が続いていることも踏まえ、不妊手術の違憲性・違法性には言及していない。

 被害者に一律で320万円を支給し、同法の規定に基づかない不妊手術を受けた人や、手術記録がなくても本人や関係者の証言で被害を認定できる人は、幅広く救済する。認定業務を担当する審査会は今夏に厚生労働省内に設置され、医療、法律、障害福祉分野の有識者が委員を務める。

 同法下で不妊手術を受けた人は約2万5000人いるが、記録で氏名が特定できた人は3079人にとどまる。救済法ではプライバシーへの配慮を理由に本人への通知をしないため、一時金を受け取れる被害者が限定的になる恐れがある。

 一時金の額や周知方法には、被害者側の反発も強い。全国7地裁の訴訟で初の判決が5月28日に仙台地裁で言い渡されるが、被害者の主張が認められた場合、救済法の見直し論が高まる可能性がある。【原田啓之】

「これで終わりではない」超党派議連・尾辻会長

 超党派議員連盟会長の尾辻秀久参院議員(自民)は成立後、記者団に「国会として(旧優生保護法を)全会一致で成立させた責任は極めて重く、しっかりおわびすべきだと思っていた。関係者が大変お年を召しているので早期に法律を成立させられたのは良かった」と語った。被害者が法律の内容に納得していない点については「いろいろ不満もあると思うが、これで終わりではない。検証を含めてむしろこれからだ」と理解を求めた。【横田愛】

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