第4部 世界の潮流/4 トップの頭脳、中国へ招致 「千人計画」の実態 任期なく桁違い年俸提示
毎日新聞
2019/4/25 東京朝刊
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<科学の森>
●あらゆる分野から
「ここを先端科学に取り組む極東の基軸にしたい」。2016年10月、中国の北京航空航天大に新設された「ビッグバン宇宙論元素起源国際研究センター」の調印式。初代所長に就任した梶野敏貴・国立天文台特任教授(63)があいさつし、中国人の副学長と固く握手を交わすと、会場に拍手がわき起こった。梶野さんは翌17年3月、特別教授として同大に赴任した。
宇宙核物理学の分野で世界的な成果を上げてきた梶野さんは16年春、「海外ハイレベル人材招致計画(通称・千人計画)」の対象に選ばれた。中国政府がノーベル賞受賞者を含む世界トップレベルの頭脳を国内に招くため、08年に始めた政策だ。梶野さんは「基礎科学だけでなく応用科学、企業などあらゆる分野の研究者を世界中から招聘(しょうへい)している」と、多彩な顔ぶれに驚いたという。
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