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偶然に導かれ「再会」切手から身元判明の平塚真澄さんの遺骨、遺族へ

東日本大震災で犠牲となり、8年ぶりに身元が特定された平塚真澄さんの遺骨を抱える弟の鈴木正樹さんといとこの丸岡美穂さん(左、ガラス越し)=宮城県石巻市で2019年4月24日、和田大典撮影

 東日本大震災で行方不明となり、切手から採取したDNA型から身元が判明した宮城県女川町の平塚真澄さん(当時60歳)の遺骨が24日、納骨されていた石巻市の霊園で遺族に引き渡された。平塚さんの異母弟で、判明するきっかけとなった手紙を保管していた鈴木正樹さん(47)は「ゆっくり休んでください、と伝えたい」と話した。【百武信幸】

 平塚さんは2011年4月に石巻市の泊浜漁港付近で遺体で見つかり、以来、「身元不明」のまま石巻市中心部に近い高台の納骨堂で眠っていた。24日、その近くの建物で県警による遺骨の引き渡しがあり、青森県八戸市から訪れた鈴木さんは穏やかな表情で受け取った。「家族の元に戻ってきてくれてうれしい。半分あきらめていたが、ちょっとしたきっかけからみつかり、正直信じられない思いです」

身元が判明した平塚真澄さんの似顔絵=宮城県警提供

 「再会」は、偶然の連鎖に導かれた。気仙沼市に住む女性(53)が震災8年を過ぎた3月16日、「いとこが異母姉を捜している。県警の似顔絵がいとこに似ている」と情報を寄せた。その「いとこ」が鈴木さん。あごの輪郭が似ているという。身元特定に必要なのはDNA型。だが平塚さんは自宅も流失しており、DNA型を検出する手がかりがない。

 すぐに県警が問い合わせると、鈴木さんは「手紙ならとってある」。20通以上あり、09年の封筒が一番新しかった。だが指紋は合致しない。残るは切手にある唾液だが、そもそもなめているかもわからない。保存状態で大きく左右され、検出の可能性は極めて低かった。県警捜査1課身元不明・行方不明者捜査班長の菅原信一検視官は「平塚さんは自分と近い世代。昔ながらに切手をなめて貼っていたのが幸いした。10年近くたった切手から(DNA型が)取れるのは奇跡的で、大切に保管していたからだろう」と話す。

 生前、東京でスタイリストとして働いていた平塚さん。鈴木さんにとっては、活動的でおしゃれで、異母姉弟の境なく世話してくれる面倒見の良い姉だった。「明るい姉で、ひょんと現れるんじゃないかと思っていた。これからやっと(死の)実感が持てるのかな」と鈴木さん。

 遺骨は近く、女川の街を見渡せる墓地に納めるという。この日は平塚さんのいとこで、石巻市の丸岡美穂さん(51)も同席し、「ようやくお母さんと同じお墓に入れるね」と声を掛けた。

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