「まだ曲が足りないんだ。7月から始まるツアーまでには間に合わせないとね」。肌寒さの残る3月下旬、東京都内にある事務所兼“作業部屋”。おなじみのリーゼントヘアで、ミュージシャンの宇崎竜童さん(73)は現れた。数十本のギターにキーボードや録音機材が並ぶこの部屋でいつもデモテープを作る。ニューアルバムのレコーディングを翌月に控えて締め切りが迫っていたが、なぜかうれしそうな笑みがこぼれた。
部屋の壁に飾られているエルビス・プレスリーは音楽に目覚めるきっかけを作った一人。実家は米軍の将校住宅「ワシントンハイツ」(現在の代々木公園など、東京都渋谷区)のそばにあった。家では駐留米軍のラジオ放送FENが流れ、年の離れた姉たちが夢中だったのがエルビスだ。「それまで聴いていた音楽と全てが違って新しく、一日中聴き入った」と、小学3年の頃に初めて「ハートブレイク・ホテル」を聴いたときのことは今も忘…
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