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三浦雅士・評 『ヴェネツィアの石』=ジョン・ラスキン著、井上義夫・編訳

 (みすず書房・6480円)

 古典的名著の新訳。

 ラスキンの生没年は1819年~1900年、ヴィクトリア女王とほぼ同じ。19世紀英国を代表する文人。三菱一号館美術館で「ラスキン生誕二百年記念ラファエル前派の軌跡展」が行われている。作家ディケンズらの痛烈な批判を逆に反批判してラファエル前派を全面的に擁護したことで知られる。ウィリアム・モリスらに影響を与え、アーツ&クラフツ運動の理論的支柱になった。日本でも大正時代にはよく読まれ、白樺派などには大きな存在だった。

 だが思想は反産業革命。いわば反動。たとえば吉田健一と同じ。ヨーロッパの美質は18世紀に絶頂に達したのであって産業革命以後の19、20世紀はその堕落にすぎないと吉田が説くように、ラスキンもまたゴシックこそがヨーロッパの健全な精神を示すのであってルネサンス以降はその堕落にすぎないと説く。いやほとんど叱責する。ラスキン思想の政治経済学的な意味は伊藤邦武の好著『経済学の哲学』によく解説されているが、その…

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