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磯田道史・評 『新しい古代史へ1 地域に生きる人びと 甲斐国と古代国家』=平川南・著

 (吉川弘文館・2700円)

 「令和」元号のもとになった『万葉集』に注目があつまっている。古代史は、のちの時代に比べて史料が少ない。『古事記』『日本書紀』『正倉院文書』など都の限られた史料をもとに書かれるから、日本古代史は「中央」からみた律令政府史になりがちで、「地方」の実態は見過ごされがちであった。ところが近年、古代遺跡の発掘調査が進み、木簡や漆がかかった紙の文字=漆紙文書が発見され、これらをもとに、古代社会の地方のありようがかなり詳細に解明されつつある。

 本書の著者は、この漆紙文書研究の開拓者であり第一人者。史料のない古代史の新史料を発掘してきた当人が、古代の地方像を語るのだから、本書は面白い。邪馬台国や大王・天皇に興味をもつ古代史ファンは多いが、このところの日本古代史で最先端の研究フロンティアになっているのは、何といっても古代社会の「地方」の実態をさぐる研究といっていい。

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