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粗悪学術誌の論文 4割が別論文の参考文献に 研究ゆがむ可能性 

 ずさんな審査で論文を載せ、掲載料を得るインターネット専用の粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、ハゲタカ誌の論文の4割が別の論文に参考文献として引用されていることが、カナダ・クイーンズ大の研究チームの調査で判明した。チームは「ハゲタカ誌に掲載された欠陥論文によって、将来の研究が汚されていく可能性がある」と警告している。

 科学論文は、先行研究の論文を多く引用する。その研究分野の現状など研究の経緯や実験方法、結論を導くための他の研究成果などを示すためだ。別の論文に引用された回数が多いほど「影響力のある論文」と評価され、引用回数は研究者の業績を測る指標の一つとされる。

 チームは、専門家らがハゲタカ誌と見なす学術誌の出版社「オミックス・インターナショナル」に着目。同社は本拠地をインドに置き、1000以上の学術誌を発行する。米国立衛生研究所から「公正さを欠き、虚偽がある」と提訴されたこともある。

 1000以上の学術誌のうち、健康科学と生物医学分野の459誌に対象を絞り、2003~17年に掲載された1万571本の論文を分析した。その結果、39・6%に当たる4191本(250誌)が別の学術誌に計6302回引用されていた。

 ハゲタカ誌は論文の体裁は整い、有名誌と似た雑誌名で混同させる場合もあるため、健全な学術誌と見分けが付きにくい。十分なチェックを受けていない欠陥論文の可能性があるとは知らずに引用した研究者が多いとみられる。

 分析結果は1月、米国の情報・図書館学の専門誌「JMLA」で発表された。チームのアマンダ・ロスホワイト同大図書館員は「多くの研究者はハゲタカ誌の存在に気付いていないようだ。科学は信頼に基づくが、論文著者は用心深くあるべきだ」と注意を求めた。

 ハゲタカ誌に詳しい佐藤翔・同志社大准教授(図書館情報学)は「問題ある論文に基づき研究を始めてしまうと、正しい結果が出ない研究をしていることになる。時間や研究費を浪費することになり問題だ」と指摘する。【鳥井真平】

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